トイレに急ぐ女性

頻尿とは、日常生活において頻繁に尿意を感じ、何度もトイレに行く状態のことです。

通常、1日8回から9回以上オシッコに行くようだと頻尿と言うようですが、この状態が続くと日常生活に支障をきたすこともあり、特に夜間の頻尿は睡眠障害を引き起こすこともあります。

頻尿は、男性も女性も年齢を問わず発生する可能性がありますが、その原因は多岐にわたります。

頻尿の原因として考えられることは、大きく2つに分けられます。

  1. 病気が原因 : 膀胱や尿道、腎臓の機能低下や前立腺の問題、過活動膀胱など
  2. 生活習慣が原因 : 生活習慣や飲水量、ストレスなど病気以外での要因

ただ、人それぞれ体のリズムは違うので、1日に8回以上トイレに行くからといって、すぐさまそれが病的な頻尿かどうかは判断がつきにくいものです。

いずれにしても、頻尿が続くと快適な生活が送れなくなることもあるので、早期の診断と適切な対策が重要なことは言うまでもありません。

この記事では、頻尿の原因を病気と病気以外の要因に分けて解説し、症状や診断方法、治療法、そして日常生活でできる対策などについてご紹介します。

頻尿に悩まされている方が、健康な生活を取り戻すための手助けとなれば幸いです。

この記事はこんな人にオススメ
  • 最近、トイレに行く回数が増えた気がする
  • オシッコを出し切っていない残尿感を感じる
  • オシッコするときに尿道に痛みを感じる
  • オシッコをお漏らししそうになることがある

頻尿の原因が病気によるもの

頻尿の原因には、様々な病気が関係していることがあります。

ここでは、頻尿の原因に関係する主な病気について説明します。

過活動膀胱

お腹を押さえている女性

過活動膀胱とは、膀胱の筋肉が過剰に収縮することで頻繁に尿意を感じる状態にあることです。

少量の尿が溜まっただけで膀胱が活発に活動するので、昼も夜も関係なく頻尿が続き、時にはお漏らししそうな急激な切迫感を伴うことがあります。

過活動膀胱には、昼間起きているとき頻繁にオシッコに行く昼間頻尿と、夜の就寝後に何度か目覚めてトイレに立つ夜間頻尿とがあります。

厄介なのは、急な尿意にお漏らししそうになる「尿意切迫感」や、トイレが間に合わずお漏らししてしまう「切迫性尿失禁」が起こることです。

過活動膀胱の原因には、膀胱の神経や筋肉の異常、ストレスなどが考えられます。

糖尿病

糖尿病で血液中のブドウ糖が多くなりすぎると、腎臓が水分と一緒にブドウ糖を尿として排出するようになります。

いわゆる多尿を引き起こすのですが、オシッコの量や回数が増えるので頻尿の原因となります。

また、糖尿病になると血糖値が高くなる影響で喉が渇きやすくなり、つい多量の水分を摂取してしまうことも、頻尿を引き起こす原因のひとつです。

よく知られていますが、膀胱炎や尿道炎などの尿路感染症も、頻尿を引き起こす要因となります。

膀胱炎

トイレと救急車の模型

膀胱炎とは、膀胱の粘膜が炎症を起こす疾患ですが、男性より女性のほうに多く見られる疾患です。

膀胱炎の症状のひとつに頻尿があり、特徴としては排尿時に尿道や膀胱に痛みを感じるのと、残尿感を伴うので何度もトイレに立つことになります。

トイレに行きたいけど、そのたびに痛い思いをするので、オシッコするのがかなり辛いみたいですね。

膀胱炎は細菌感染が主な原因であり、特に大腸菌が膀胱に侵入することで発症するのですが、一度発症すると再発しやすい特徴があり、厄介な疾患と言えます。

前立腺肥大症

男性特有の前立腺肥大症は、膀胱の下に位置する前立腺が肥大することで尿道を圧迫し、それにより排尿が困難になる病気です。

その結果、尿が完全に排出されずに膀胱に残るので、頻繁にオシッコに行きたくなるのですね。

前立腺肥大症は中高年男性に多くみられる傾向があり、夜間頻尿も前立腺肥大症でよくみられる症状の一つです。

前立腺炎(急性)によるもの

点滴中の男性

細菌が尿道から侵入し、前立腺に感染して起こる疾患で頻尿と同時に排尿時の痛みや残尿感などがあります。

前立腺肥大症と同様に中高年男性の発症率が高く、膀胱炎とほぼ同じ症状がみられます。

ただ膀胱炎との違いは、同じ尿路感染でも前立腺炎の場合は高熱を発症するところです。

実は私の旦那、3年前に前立腺炎やってるんです。

トイレから帰ったら、すぐまたトイレに行きたくなるので変だなあと思っていたら、オシッコするときに尿道がチリチリ痛いので、絶対おかしいと思ったそうです。

そのうち、「なんだか寒気がする」というので、体温計で計ると39.5度も熱があったんですね。

1週間ほど点滴入院して治ったのですが、膀胱炎と同じく前立腺炎も再発するケースが多いので、注意は必要です。

子宮筋腫によるもの

子宮にできた良性の腫瘍が、周りの臓器に影響を与えることで頻尿を引き起こすことがあります。

子宮筋腫は頻尿以外でも、普段より強い生理痛があったり経血の増加などがあり、不妊や流産の原因にもつながるので、良性の腫瘍とはいうものの油断はできません。

骨盤臓器脱によるもの

骨盤の中にある膀胱や直腸、子宮などの臓器が下がって下腹部の違和感とともに、頻尿や尿もれなどの症状が起こります。

骨盤底筋が衰えると尿道を締める力も弱くなるので、オシッコを我慢できなくなってしまうのですね。

骨盤臓器脱は加齢や出産に伴う骨盤底筋の機能低下が主な原因ですが、どうしても年齢を重ねると膀胱や腸、子宮などを支えている骨盤底筋が衰えてしまうのです。

このように頻尿の原因が病気である場合は、適切な診断と治療が必要ですが、次は病気以外の原因で頻尿になるケースについて解説します。

頻尿の原因が病気以外のもの

頻尿の原因は病気だけではなく、生活習慣や生活環境が影響する場合もあります。

ここでは、普段生活するうえで一時的な現象としてトイレが近くなるなど、あまり気にすることのない頻尿の症状について、いくつかご紹介してみます。

水分の摂りすぎで頻尿になる

ジョッキで乾杯する男性たち

頻尿の原因の一つに、摂取する水分の量や飲み物の種類が関係することがあります。

飲み物を多く摂取することで、体の中に余分な水分が溜まれば排出したくなるのは自然現象です。

コーヒーやビールなどを多飲すると、それらに含まれるカフェインやアルコールには利尿作用があるので、頻尿を引き起こす原因になります。

ストレスや生活習慣も頻尿の原因に

ストレスや不安も頻尿の原因となることがあります。

精神的な緊張が膀胱の過敏を引き起こすことで、頻繁に尿意を感じることがあります。

また、生活習慣の乱れや不規則な食生活も影響します。

例えば、夜遅くに大量の水分を摂取することや、塩分の多い食事を摂ることが、頻尿を引き起こす原因になることがあります。

頻尿は年齢やホルモンも関係する

加齢とともに尿を濃縮するホルモンが減少したり、膀胱が硬くなってしまうことで起きる頻尿があります。

尿を濃縮できないということは、尿の量が増えることにつながります。

また、膀胱の筋肉が弱って伸び縮みせず硬くなってしまうことで、膀胱がすぐに尿でいっぱいになり、たびたび尿意をもよおすようにもなるんですね。

女性の場合には、閉経後のホルモンバランスの変化によって膀胱や尿道の筋肉が弱くなり、オシッコを我慢することが難しくなることで頻尿を引き起こすことがあります。

体が冷えるとオシッコが近くなる

雪の中に佇む女性

そもそも汗や尿には体内の水分量を調整する働きがあります。

暑い夏には体から熱を逃がすため、汗として水分が失われます。

でも寒い冬だと、あまり汗をかかないので、水分は主に尿として溜まっていきます。

なので、汗をかく量が多ければ尿が少なくなり、反対に汗をかく量が減れば余分な水分を体外へ排出するために尿の量が増えます。

そのため、気温が下がって汗をかかなくなると、トイレに行く回数が増えるのです。

そこへもってきて、体が冷えると交感神経の働きが活発になることで全身の筋肉が緊張し、膀胱の筋肉も収縮してしまうため尿を溜めにくくなるので、よけい頻尿に拍車がかかるわけです。

寒い季節になるとトイレが近くなるのは、そういう理由からなんですね。

女性に多い冷え性も、頻尿を引き起こす原因の一つになります。

頻尿の症状と治療法

頻尿の症状は、単なるトイレの回数の増加だけではありません。

ここでは頻尿の具体的な症状と、それを診断するための方法について詳しく説明します。

頻尿の症状はいろいろある

昼間頻尿:日中に頻繁にトイレに行く状態。通常は1日に8回以上の排尿が見られる。昼間だけ頻尿の症状が現われる場合は、緊張するとトイレが近くなったり、反対に出なくなったりする心因性の原因も考えられます。

夜間頻尿:夜間に何度もトイレに行く必要がある状態。夜中に何度も目が覚めるため、睡眠が妨げられる。夜間頻尿の原因には、何らかの疾患が関係していることが多いので、気になる場合には医師に相談しましょう。

不眠症に悩む女性

尿意切迫感:突然の強い尿意を感じ、すぐにトイレに行かなければならない状態。(過活動膀胱でよくみられる症状)

切迫性尿失禁:尿意切迫感によりトイレに急ぐも、間に合わずに尿が漏れてしまう。(過活動膀胱が進んだ状態)

これらの症状は、生活の質を大きく低下させるため、早期の診断が重要です。

検査で適切な治療法を見つける

頻尿の診断には、いくつかの方法がありますが、お医者さんでは最初に症状や生活習慣について詳しく問診され、そのあとで検査を受けることになります。

検 査 名 目  的
尿 検 査 感染症や糖尿病など、頻尿の原因となる病気を特定するために行います。
膀胱日誌 数日間にわたり、排尿の回数や量、尿意を感じた時間などを自宅や職場で記録し、頻尿のパターンを把握します。
超音波検査 膀胱や腎臓の状態を確認し、異常がないかを調べます。
尿流動態検査 尿の流れや膀胱の収縮力を測定し、膀胱や尿道の機能を評価します。

これらの検査を通じて頻尿の原因を特定し、適切な治療法を決定していきます。

次のセクションでは、頻尿の治療と改善方法について詳しく解説します。

頻尿の治療と改善方法

頻尿の治療は、原因に応じてさまざまな方法があります。

ここでは、主な治療法と日常生活でできる改善方法について説明します。

治療方法の種類

薬物療法

  • 抗コリン薬:副交感神経を遮断して交感神経を刺激する薬で、膀胱の過剰な収縮を抑えるために使用されます。過活動膀胱の治療に効果的。ただし、口の中が渇いたり便秘などをはじめ、眼圧上昇や眠気、かすみ目といった副作用のリスクに注意する必要があります。
  • αブロッカー:前立腺肥大症による頻尿に対して使用され、尿道の筋肉や膀胱収縮筋の緊張を緩めて排尿を促進します。ただし、抗コリン薬と同じで眠気、かすみ目などの副作用に気をつける必要があります。
  • 抗生物質:膀胱炎や尿道炎などの感染症が原因の場合、抗生物質が処方されます。一般的な副作用には発疹、めまい、吐き気、下痢などがあります。

手術療法

  • 前立腺手術:前立腺肥大症が重症の場合、手術で前立腺の一部を取り除くことがあります。
  • 膀胱訓練:膀胱の容量を増やし尿意をコントロールするための訓練が行われることがあります。トイレに行くのを我慢する訓練で、最初は短時間でもなるべく我慢することから始め、そのうち30分、1時間、3時間と、トイレに行く間隔を長くすることが目的です。

日常生活でできる予防や対処法

時計とコーヒーカップ

頻尿の原因が病気などで、医療処置を受ける必要のあるもの以外は、普段の生活で少し気をつければ頻尿の症状を改善できることがあります。

ここでは、日常生活でできる頻尿の予防対策についてご紹介します。

飲水管理

日中は適度に水分を摂取し、就寝前の水分摂取を控えることで、夜間頻尿を防ぐことができます。

特に寝る前には、コーヒーや緑茶、ビールといった利尿作用のある飲み物を飲みすぎないようにしましょう。

生活習慣の改善

定期的な運動や健康的な食事を心がけ、ストレスを軽減することが頻尿の改善につながります。

ストレスが溜まっているときには、雑誌を読んだり楽しいことを考えたりすることで、ストレス発散するよう心がけましょう。

「緊張しているな」と思ったら、深呼吸や軽い運動をしたり、音楽を聴くなどして緊張を和らげるのもオススメです。

また、外出時に頻尿の症状に襲われはしないかと不安になることもあるかと思いますが、そんなときは事前にトイレのある場所をチェックしておくと、気持ちにゆとりが生まれることで、尿意をある程度抑えることができると思います。

筋肉強化と膀胱訓練

骨盤底筋のトレーニング(ケーゲル体操)を行うことで、膀胱や尿道の筋肉を強化し、尿意のコントロールを改善します。

硬くなってしまった膀胱の筋肉を鍛えることで、以前のような伸縮性を取り戻せばたくさんの尿を溜めておくことができるようになるので、頻尿の改善につながるのです。

膀胱の筋肉を直接動かすことはできないのですが、間接的に膀胱の筋肉を鍛えることはできます。

意識して肛門を締めたり緩めたりを10回程度3セット行うというのもそのひとつで、ほかにもスクワットやウォーキングを無理しない程度に続けるという方法もあります。

スクワットする女性

肛門の運動は、テレビを観ているときや仕事の合間などでも手軽にできるので、ぜひ日常生活に取り入れてほしいところです。

また、尿意を感じた際にすぐにトイレに行かず、少し我慢することで膀胱の容量を増やす訓練をするのも頻尿対策には有効です。

まとめ

頻尿は、日常生活に大きな支障をきたすことがあり、その原因は病気から生活習慣まで多岐にわたります。

適切な診断と治療を行うことが重要ですが、日常生活での予防策も頻尿の改善に大いに役立ちます。

頻尿の予防と改善には、日常生活の中で健康を維持することが不可欠です。

適切な飲水量や食事、運動、ストレス管理など、健康的な生活習慣を心がけることで、頻尿になるリスクは減少させることができるのです。

頻尿に悩まされている方は、まずは自分の生活習慣を見直し、改善策を取り入れることから始めてみてください。

そして、必要に応じて専門医の診察を受け、適切な治療を行うことも大切です。