「この頃なんだか体がだるいなあ」とか、「動悸や息切れがして食欲もわかない」というようなことを感じていたら、ひょっとしてそれ、貧血のサインかもしれません。
貧血は多くの人が経験する、特に女性に多く見られる症状です。
貧血をひと口で説明すると、血液が体の隅々にまで酸素を運べなくなった状態のことですが、一時的なものと軽く考えていると、その裏で危険な病気が進行している場合もあるので油断はできません。
厄介なのは、脱力感や倦怠感を感じても、それが貧血によるものだと気づくまでに時間がかかり、たいていの人が知らないうちに貧血状態に陥ってしまうところです。
主な症状は、疲れやすさ、めまい、頭痛、息切れなどですが、貧血になる原因としては、鉄分不足、ビタミンB12不足、葉酸不足などが知られています。
特に鉄分不足の場合、食事やサプリメントで補うことが重要になります。
本記事では、貧血を効果的に治すためのサプリメントや食品について詳しく解説し、健康的な生活習慣を取り入れる方法をご紹介しています。
- 最近疲れやすくなったと感じる
- 頭痛の起きる頻度が多くなった
- 階段を歩くと息切れや動悸がする
- 時々めまいがして倒れそうになる
貧血の症状はいろいろ
貧血は、血液中の赤血球やヘモグロビンの量が正常範囲を下回る状態を指します。
「疲れやすい」、「だるい」、「顔色が青白い」、「動悸や息切れがする」といったような症状がみられますが、初期のうちは自覚症状がないこともあって、上記した以外にも「頭痛」や「めまい」、「意識が遠のく」などの症状が出ることもあります。
貧血の症状は軽度から重度まで様々ですが、主なものには、
・疲労感
・めまい
・頭痛
・息切れ
・動悸
・冷え性
・肌荒れ
・抜け毛
などがあります。
さらに症状が進行すると「胸部の痛み」や「筋肉のけいれん」などが起こったりすることもあるので油断はできません。
貧血の原因が重い病気のこともある
貧血はいくつかの種類に分けられますが、一般的によくあるのは「鉄欠乏性貧血」と「ビタミン欠乏性貧血」の二つです。
鉄欠乏性貧血とビタミン欠乏性貧血
鉄欠乏性貧血は、体内の鉄分が不足することで引き起こされますが、肌荒れや抜け毛、爪が割れやすくなったり口内炎を発症したりします。
この貧血は、女性の4人に1人は症状がみられるといわれ、とくに妊娠中には鉄不足に陥りやすいので注意が必要です。
鉄欠乏性貧血になる原因としては、バランスの悪い食生活による「鉄分摂取の不足」や、月経や出産、あるいは外傷などの出血にともなう「鉄分の喪失」などが考えられます。
ビタミン欠乏性貧血は、体内で赤血球が作られる際に必要な「ビタミンB12」や「葉酸」が不足して起こる貧血です。
ビタミン欠乏性貧血は「巨赤芽球性貧血」と呼ばれることもあり、高齢者や妊婦に起こりやすいとされています。
私はあまり貧血とは縁がないのですが、2番目の子供を妊娠したときには、軽い貧血の症状が出たことを憶えています。
ビタミンB12が不足する原因には、胃液の分泌が悪いことでビタミンB12をうまく吸収できなかったり、手術で胃を切除したときなどが挙げられます。
葉酸の不足は、偏食により野菜の摂取が不十分だったり、アルコールの飲み過ぎによるものなどがあります。
妊婦さんの場合は妊娠から授乳期にかけて葉酸が必要とされるので、その時期の貧血は葉酸不足が原因である可能性は高いですね。
ビタミン不足による貧血では、手足がしびれたり痛みを感じるなどの症状があり、悪化してくると抑うつ症状、記憶障害といった神経症状が出ることもあるので注意が必要です。
一方、朝礼のときなどに貧血で倒れたということを聞くことがありますが、この場合は脳貧血といって、一時的に脳の血液量が減少することで起こるものです。
急に立ち上がったりすると立ちくらみに襲われることがあるのと同じで、赤血球などの異常による貧血とは異なるものです。
いずれにしても、貧血が進行すると体全体の酸素供給が不足し、様々な悪影響を及ぼすのは間違いありません。
貧血の原因になる病気
基本的に、貧血の症状が現われたら素人判断せず、医師に相談することをお勧めします。
なぜなら、貧血の原因には下記のような病気が関係している場合もあるからです。
- 慢性腎不全
- 心臓病
- 子宮筋腫
- 胃潰瘍、胃がん
- 十二指腸潰瘍、大腸がん
- 白血病
- 骨髄腫
これらの病気は、早期に発見すれば治療で治せる可能性がありますが、放っておくと手遅れになることもあります。
上記以外にも「再生不良性貧血」や「溶血性貧血」など、先天的な要因で発症する貧血もあります。
貧血予防は健康チェックが大事
男性より女性に多い貧血ですが、定期的な健康チェックを受けることで早期発見や予防が可能です。
女性は月経や妊娠・授乳などで、男性より鉄分を失う機会が多いのですが、特に妊娠中には定期的に血液検査を受けて、鉄分やヘモグロビンのレベルを確認することが重要です。
以下の点に注意して貧血を予防しましょう。
- 月経時の鉄分補給 / 月経時は特に鉄分が失われやすいので、意識的に鉄分を多く含む食品やサプリメントなどを摂取する。
- 妊娠中の栄養管理 / 妊娠中は母体と胎児の両方に栄養が必要なので、鉄分や葉酸などを適切に摂取することが重要。
これらに注意することが、貧血の予防や改善に繋がります。
貧血対策で大事な3つのこと
貧血対策には次の3つがキーワードです。
- 食事
- サプリメント
- 適度な運動や質の良い睡眠
この3つです。
これらは、それぞれを実践するのもいいですが、組み合わせて行うことで相乗効果を期待できます。
以下より具体的に説明しますが、貧血傾向にある人は完璧な予防対策として、これらを組み合わせることをオススメします。
貧血対策に効果的な食事の仕方
貧血の改善には、日々の食事で必要な栄養素をバランス良く摂取することが重要です。
特に鉄分を多く含む食品や、鉄分の吸収を助けるビタミンCを豊富に含む食品を意識的に取り入れることが効果的。
軽度の貧血であれば、自宅療法として食事から鉄分やビタミンCを積極的に摂取するところから始めてみてください。
食 品 | 特 徴 | |
鉄分を多く含む | レバー | 特に鶏や豚のレバーは鉄分が豊富で、貧血予防に効果的。 |
あさり | 海産物の中でも鉄分含有量が高く、手軽に取り入れやすい。 | |
ほうれん草 | 緑黄色野菜の代表。鉄分が豊富で、サラダやおひたしにして摂取。 | |
ひじき | 海藻のひじきは鉄分が多く、煮物やサラダに利用すると良い。 | |
ビタミンCを多く含む | 柑橘類 | オレンジやレモン、グレープフルーツなどはビタミンCが豊富です。 |
いちご | いちごもビタミンCが豊富で、デザートなどで手軽に摂取できる。 | |
トマト | トマトにも、ストレスや風邪に対する抵抗力を強めるビタミンCがいっぱいです。 | |
ニラ | ニラにもシミやしわ、肌荒れなどの予防に効果のあるビタミンCが含まれ、抗酸化作用が期待できます。 |
表では一部の食品を例として挙げてみましたが、鉄分やビタミンCを多く含む食品は他にもたくさんあります。
食事から積極的に摂取するには、自分の口に合う食品でないといけません。
是非、いろいろ調べてみてくださいね。
ヘム鉄と非ヘム鉄の両方が大事
鉄分には、ヘム鉄(動物性鉄)と非ヘム鉄(植物性鉄)の2種類があることをご存知でしょうか。
ヘム鉄は、肉や魚などの動物性食品に含まれていて、野菜や豆類に含まれているのが非ヘム鉄です。
ただ、どちらも鉄分であることに変わりありません。
鉄は体に吸収されにくいという性質があるので、肉はダメ、野菜はイヤなどと食事が偏らないよう、できるだけ鉄分を摂取する機会を増やしましょう。
また、食事のときには鉄分と一緒にビタミンCを摂取することが推奨されています。
その理由は、ビタミンCと一緒に摂取することで鉄分の吸収力を上げることができるからです。
例えば上記の表ですと、レバーとニラを組み合わせて「レバニラ炒め」だとか、あさりとトマトで「あさりのトマト煮込み」なんていう献立も考えられますね。
ほうれん草のサラダに、レモン汁を垂らすだけでも違います。
鉄と一緒にビタミンCを摂るのが大事というのを覚えておいてくださいね。
少しの工夫で多くの鉄分が摂れるのなら、実行しない手はありません。
こういった料理を日常的に取り入れることにより、貧血の予防・改善に大きな効果を期待できますよ。
サプリで鉄分を補給しよう
貧血を改善するために、食事だけでなくサプリメントで鉄分を補給するのも有効です。
特に、鉄分やビタミンB12、葉酸を含むサプリメントは、貧血の改善に大きな効果をもたらします。
鉄分サプリメントの種類と選び方
鉄分は様々な食品に含まれていますが、他の栄養素に比べて体内に吸収されにくいという欠点があり、食事からだけでは十分な鉄分を摂取できないことがあります。
そこで、鉄分を効果的に補う手段として、サプリメントを利用する場合があります。
市販されている鉄分サプリには、「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があるのですが、おすすめは「ヘム鉄」のサプリです。
なぜなら、「ヘム鉄」のほうが体への吸収率が高いというのと、「非ヘム鉄」の場合は、人によって胃腸障害を起こすことがあるからです。
ドラッグストアや薬局で、「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の見分けがつかない場合には、薬剤師さんにアドバイスしてもらいましょう。
鉄分サプリメントには、さまざまな形状と成分があり、それぞれの特性に応じて選ぶことがポイントです。
自分の生活スタイルや消化能力に応じたものを選びましょう。
種 類 | 特 徴 |
鉄タブレット | 一般的な錠剤タイプで、摂取が簡単。 |
チュアブル | 噛んで摂取するタイプで、飲み込みが苦手に人にも適しています。 |
液体鉄分サプリ | 消化吸収が早く、胃腸にやさしいタイプ。 |
ビタミンB12や葉酸サプリ
貧血の改善には、鉄分だけでなくビタミンB12や葉酸も重要な役割を果たします。
これらの成分は、赤血球の生成を助ける働きがあり、特に巨赤芽球性貧血の予防に効果的です。
ビタミンB12や葉酸を含むサプリメントを併用することを、貧血対策に取り入れてみるのもアリですね。
サプリは食後に飲むのがポイント
ところで、「鉄分サプリはいつ飲むのが効果的なんだろう?」という疑問をお持ちの方、食後に飲むことをおすすめします。
食後だと胃腸が荒れるリスクを減らせるからです。
また、一日のうちで何度かに分けて飲むこともおすすめします。
理由としては、鉄は体内に吸収できる量が決まっているので、一度にたくさん摂っても余分なものは排泄されてしまうからです。
なので過剰摂取に気をつけ、用法用量を必ず守るようにしてください。
- 鉄分サプリは食事と一緒、または食後に摂取することで胃腸への負担を軽減し、吸収率も高まる
- 鉄分の過剰摂取は、胃腸障害や肝臓への負担を引き起こす可能性があるため、適切な摂取量を守ることが大事
- 鉄分は、ビタミンCを含む食品やサプリと一緒に摂取すると、吸収が促進される
上記ポイントの3にあるように、ビタミンCは鉄分の吸収をサポートしてくれます。
ですので、鉄分を含む食品とレモンやキウィなどを一緒に摂ったり、食後にイチゴやグレープフルーツなどをデザートとして食べるのも効果的ですね。
ところで、ビタミンCといえばレモンやイチゴ、鉄分を含む果物はプルーンと頭に思い浮かべる方は多いでしょうが、ビタミンCと鉄分の両方を豊富に含むスーパーフルーツをご存知ですか?
モンゴル原産なので、あまり耳にする機会はないかもしれませんが、サジーという植物の果実がそれです。
サジー果実を原料に作られるジュースには、イチゴやプルーンをはるかに上回るビタミンや鉄分が含まれていて、貧血に悩む人や、美容目的の40代女性には多くの愛飲者がいます。
鉄とビタミンCが同時に摂れるのですから手軽だし、貧血に悩む人にはもってこいのジュースです。
サジージュースに興味のある方は、下記の記事が参考になります。↓
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貧血対策をしている人に避けてほしいのが、「タンニン」です。
タンニンはコーヒーや紅茶、濃い緑茶などに多く含まれているのですが、鉄分の吸収を阻害する作用があるのですね。
ティータイムにコーヒーで一服、なんてよくあると思いますが、鉄分の吸収アップを考えるのであれば、控えてほしいところです。
運動や睡眠が鉄の吸収をアップする
食事やサプリメントの摂取以外で、貧血を改善・予防する有効な対策は、「運動」、「睡眠」、「ストレス管理」の3つです。
適度な運動
軽い有酸素運動(散歩、ウォーキング)やストレッチを行うことで、血流を良くして全身に酸素を行き渡らせることも貧血予防に効果があります。
運動には内臓機能を回復させて鉄分の吸収を高め、赤血球の生産を活発にする作用があるからです。
質の良い睡眠
貧血になる原因のひとつに、睡眠不足が挙げられます。
睡眠不足は鉄分の吸収を妨げるため、貧血の原因になるのですね。
質の良い睡眠を確保することで体の回復力を高め、貧血の症状を軽減できます。
無理な夜更かしなどはせず、しっかり休息することを心がけましょう。
ストレス管理
適度なリラクゼーションや趣味を楽しむことでストレスを軽減し、体調を整えることは貧血対策に効果的です。
さて、これらの「運動」、「睡眠」、「ストレス管理」の3つは、すべて関連性があることにお気づきですか。
運動による心地よい疲労感と、精神的にリラックスすることが、質の良い睡眠に繋がりますよね。
すべてを一度には無理でも、ひとつずつ努力してみてはいかがでしょうか。
まとめ
貧血は、血液中の赤血球やヘモグロビンが不足することで、疲れやすさやめまい、頭痛などの症状を引き起こします。
女性ですと月経や妊娠・授乳期には、鉄分不足から貧血の症状がみられる場合も少なくありません。
貧血の予防・改善には、レバーやほうれん草などの食品や、柑橘系果物やニラなどの野菜を積極的に摂取して、鉄分やビタミンを体に取り込むことが重要です。
ただ、鉄分の過剰摂取には注意し、医師や栄養士などと相談して適切な量を摂取することが望ましいですね。
食事と併せ、適度な運動や質の良い睡眠、ストレス管理も心がけるようにし、貧血を起こしにくい体質に改善することで、健康的な生活が送れるようにしましょう。