肺炎のイメージ図

マイコプラズマは細菌の一種で、風邪をはじめ「気管支炎」や「肺炎」などを発症する原因菌です。

マイコプラズマに感染すると「咳」とか「頭痛」、「下痢」、「嘔吐」などの症状が表れますが、重症化すると肺炎腸炎、さらには髄膜炎脳炎などを引き起こすこともあるので油断はできません。

マイコプラズマ感染症は、主に秋から冬にかけて流行する感染症で、感染は飛沫や接触によって広がり、学校や家庭での集団感染も少なくありません。

ここでは、比較的かるい疾患から、重い病気まで引き起こすことのあるマイコプラズマ感染症の原因や症状、効果的な治療法などについて解説しています。

この記事でわかること
  • マイコプラズマの感染経路
  • マイコプラズマの初期症状
  • マイコプラズマから肺炎になる確率
  • マイコプラズマの予防方法
About この記事を書いた人

ブログ運営者こんにちは! メグです。
オーガニックな生活に取り組んで5年目の主婦です。
夫と5歳、2歳の子供+義父の5人が、小さな家で暮らしています。
某食品メーカーで食品分析士として働いた経験を活かし、家族の健康のため自然素材を取り入れる生活を心がけています。
ブログ名のオーガニッチは、自然素材から作られるニッチなアイテムを紹介することから名づけました。
今は専業主婦ですが、ずっと家にいたのでは窒息しそうになるので、ひそかに仕事復帰のチャンスをうかがっています。
●資格保有:食品分析士、管理栄養士

マイコプラズマ感染症が広がる経路

アドバイスを受ける女性スタッフ

マイコプラズマ感染症は、細菌の一種である「マイコプラズマ」によって引き起こされる感染症です。

マイコプラズマは他の細菌と比べて非常に小さく、細胞壁を持たないため、治療の際に使われる抗生物質も特定のものがあります。

マイコプラズマの感染が広がっていく経路については2通りあります。

ひとつは飛沫による感染で、感染している人が咳やくしゃみをするとマイコプラズマが空気中に飛散し、それを吸い込んだ人は感染します。

もうひとつは接触感染で、感染者が触ったドアノブや吊り革、感染者が使ったスマホやタオルなどに触れることでマイコプラズマが指や手に付着し、それが目や鼻や口などの粘膜から体内に侵入して感染します。

空気中を漂うマイコプラズマは目には見えませんし、人は無意識のうちに目をこすってみたり、頬やあごを触っているものです。

マイコプラズマに感染し、本格的な症状が表れるまでの潜伏期間はだいたい2週間から3週間程度ですが、その間にも人によって様々な病状がみられます。

学校や家庭内での感染拡大が多く、小児や若年層が感染しやすい傾向にありますが、大人でも感染するケースがあります。

マイコプラズマ感染症が流行すると、多くの患者が同時に発症する可能性があるので、地域全体での対策が必要となる場合も起こり得ます。

症状と発症するメカニズム

頭痛で額を押さえる女性

感染して初期のうちは風邪によく似ていて、「頭痛」や「喉の痛み」、「だるい」、「発熱」、「筋肉痛」などの症状が表れます。

徐々に咳きこみ方が強くなっていき、乾いた咳から、しだいに痰のからんだ湿った咳へと変化していきます。

風邪との違いは、感染してから発症するまでの潜伏期間が2~3週間と長めなので、症状が現れた時にはすでに周囲に感染を広げている場合があることです。

マイコプラズマによる感染症状は、通常1週間程度で回復に向かい「気管支炎」くらいで治まりますが、子どもや高齢者は重症化しやすく、適切な治療を行わないと「マイコプラズマ肺炎」に進行する可能性があります。

微熱と咳が長引くようなら「肺炎」を疑う必要がありますね。

マイコプラズマはいろいろな臓器にも疾患を引き起こすことがあり、とくに肺炎になると合併症として中耳炎、脳炎、肝炎、髄膜炎、ギラン・バレー症候群など、さらに重篤な病気を発症する恐れもあるので油断禁物です。

こうした合併症を防ぐためにも、早期の診断と治療は不可欠といえますね。

メグ

風邪は治ったはずなのに咳が長引くなど、少しでもおかしいと感じたら重症化する前に早めにお医者さんと相談してくださいね。

マイコプラズマ肺炎の診断と治療法

肺炎の表現図

マイコプラズマの感染により肺炎を発症するのは幼児など低年齢層に多く、成人も含めた肺炎患者の約8割程度が30歳未満だといわれます。

また、感染したからといってすべてのケースで肺炎にまで進行するわけではなく、マイコプラズマ肺炎を発症するのは感染者のおおよそ5%前後との報告があります。

診断にあたっては、症状だけでは風邪や他の肺炎と区別がつきにくいため、医療機関では患者の症状やレントゲン検査、血液検査を通して診断を行います。

最近ではマイコプラズマのDNAを検出するPCR検査が普及し、より正確で迅速な診断が可能になってきました。

予防対策と治療法について

感染予防

マイコプラズマの感染を防ぐための予防ワクチンはありません。

予防法としては風邪と同じで、「手洗い」、「うがい」、「マスクの着用」を徹底することと、免疫力を低下させないようバランスの良い食事を摂るとか、十分な睡眠をとることが大事です。

基本的には、日常生活での衛生習慣を徹底させることが大事になります。

マイコプラズマは飛沫感染するので、感染が流行しているときは、人が多く集まる場所には足を向けないに越したことはありません。

ただ、そうもいかないときには集団感染を防ぐためにマスクの着用、帰宅したら手洗いやアルコール消毒などは必ず行いましょう。

また、どうしても感染者との接触を避けられないときは、換気を徹底して、出来る限り密閉された空間での接触にならないように努めてください。

ドアノブや手すりなど、人が多く触れる場所にも注意して、家庭では定期的に消毒するといいですね。

治療については、栄養を摂り、しっかり休養もとることで通常は自然治癒します。

お医者さんでの治療としては、ほとんどの場合が抗生物質の服用になります。

ただ、最近は抗生物質に耐性をもったマイコプラズマが増えてきたため、思うような効果を期待できない場合もたまにあります。

マイコプラズマは細胞壁を持たないという特徴があるため、特殊な抗菌薬が処方されるケースが多いですが、用法・用量を守って指示通り服用することが大切です。

なぜなら、途中で服用を止めてしまうと菌を完全にやっつけることができず、再発してしまうことがあるからです。

ちゃんとお薬を飲んで、十分な食事と睡眠をとり、安静に努めることが大切ですね。

布団

まとめ

マイコプラズマ感染症は、幼児から中学生あたりが最も発症しやすい年齢層とされていますが、大人でも感染する疾患です。

基本的には養生することで自然に治る疾患なので、もし感染してしまった場合には栄養のある食事や睡眠をとる、仕事などで無理をしないということに心がけて、十分な休養をとってください。

1、2週間が過ぎても咳など症状が長引くようなときは、お医者さんでよく診てもらい、重症化して肺炎などに進行しないように気をつけましょう。

大切なのは風邪が流行るような時期には「マスク」、「手洗い」、「うがい」など基本の予防対策を行い、感染から身を守るよう心がけることです。

メグ

マイコプラズマ感染症には予防ワクチンがありません。風邪の季節にはマスクや手洗いなどの予防対策を行い、自分で身を守るようにしましょう。